土曜日の陽がかげるころ、大門にある芝パークホテルのバー・フィフティーンにうかがいました。目的は、Arranブロガーティスティング会に参加すること。
今年は、アラン蒸留所が15周年(若い!)ということで、様々なイベントがおこなわれているようです。その一環として、輸入元のWhisk-e(Whisky Magazine Liveの開催元でもあります)がブロガー限定でテイスティングイベントをする、ということで、わりとかるーい気持ちで(ただで飲めるぞーぐらいの^^;)応募してみたら当たってしまったのです。わあーーーい!
せっかくなので気合いを入れて、黒地の小紋にアメリカンコットンの帯で出陣。
会場に着いてみたら、予想外の小さなイベントで、なんと参加者12名(に、会社の方が3名)というアットホームサイズでした。しかもホテルのバーラウンジなので、とっても贅沢な気分。英国のお屋敷に及ばれしてるみたいなと言ったらいいすぎかな? ウェルカムドリンクのウィスキー&サワーを片手に席につきました。
最初にWhisk-e CEOのデービット・クロールさんの挨拶があった後、1時間ほどは座学で、アラン島という島の環境から蒸留所の規模や特徴、お酒の特徴など、2種類ほどのお酒をテイスティングしながらいろいろうかがいました。私はお酒の製造過程に興味しんしんなので、ものすごく興味深かったです。特に小型のポットスチル2台が並んでいる写真はもらってかえりたいぐらい美しいと思ったし、また「なるほど、そんな形なのねー」なんて細かいところを目を皿のようにして見てしまったりして。ちなみに、右がウォッシュスチル、左がスピリッツスチルです。マッシュタンが4台あるのですが、すべて木製だったりするところや、小さなポットスチルを使っているところなど、新しくても伝統を守りつつきちんとしたものを作っていこうとしているんだなあ、と感じられてとっても好印象でした。それを今時珍しい独立蒸留所としてやっているのが驚きでもあり、納得できる部分でもあり。
さて、お味の方は。まず席にはレギュラーのアランモルト10年と、15周年記念ということで今年発売したザ・ピーコック1996がありました。基本的にこちらのモルトはノンピート中心ということで、現行の10年はノンピートのシェリー樽熟成オンリー。どうやら原酒がそもそも風味が穏やかなものらしく、シェリー樽風味もほどほどに押さえられていて、とても上品に感じる味でした。正直なところ、ビビッと来るほどの強烈さはないものの、いやみのない応用の利きそうなお酒だな、と思いました。ザ・ピーコックの方はバーボン樽熟成とシェリー樽熟成のブレンド。たしかに、こっちは明らかにバニラだー。しかも同じ43度のはずなのに、明らかにピリッと来ます。違うものですね。元が穏やかな分、いろんな変化がよくわかって、こういうのも面白いなあ。
その後は他に用意されているラインナップを自由に味見。もうこのあたりからほとんど席に戻らず、スタンディングでお酒をいただきながら、みなさんといろんな話をして盛り上がりました。主催側の方々ともくだけた話ができたのがとってもうれしかったです。
で、お酒ですが、アランは様々なカスク違いを得意としているようで、シェリーカスクとバーボンカスクはもちろん、ピノ・ノワールカスク、マデイラカスクなどもありました。現在は販売されていないというニューポットもやはり穏やかで、「これはまた売れば売れるのに」という感じ。さらに12月だけ(毎年の蒸留の最後にほんの少しだけ)ピーテッドモルトを作るそうで、ニューポットとバーボンカスクにはピーテッドバージョンがありました。このピーテッドバーボンカスク3年というのが、いたく私の好みに合いました。普段よく飲むアイラモルトは3年なんてきつくって飲めたもんじゃないんですが、アランだとピーテッドもやっぱり品よくまとまっていて、かと言って香りもきつすぎなくて、こういうのが1本あってもいいよね、という感じだったのでした。作るのも12月だけれど、毎年の発売も12月頃限定らしいので、発売されたらがんばって入手してみようかな。
ところで、アラン蒸留所の現在のマネージャーは元ボウモアのマネージャー、ジェームズ・マクタガート氏なので、やっぱりピーティッドも得意だし、これからはもう少し増えるかもね?という話も聞きました。それはいい。いつの日かアラン島にうかがって、ウィスキーピーコック(なんと蒸留所でクジャクを飼っているのです)のアルバート君に会ってみたいものです。
長くなってしまいました。そんなわけで、とても得るところの多い、またおいしく楽しいイベントでした。それに、他のブロガー(って言うとものすごく恥ずかしいのだが)の方々と知り合えたのも収穫。ぜひまたどこかでお会いしましょう。
あ、今度のWhisky Magazine LiveでもArranのマスタークラスがあるそうですよ。これはもう行くしか!マクタガートさんも来るらしいし。(もうひとつねらっているのはダンカンテイラーだったりして。我ながらしぶい趣味だな。)
2009年12月12日土曜日
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3 件のコメント:
ブロガーイベントで、すっかりアラン&アルバートくんの虜になってしまっています。
当日はお疲れ様でした。
なぜかとてもとても熱心な飲み手さんが大集合した会でしたね。
「いつか樽主になりたいなぁ」とか「いつかアラン島に行きたいなぁ」っていう夢ができました。
マガジンライブでさらにテンションが上がって、さらにさらに虜になってしまいそうな気がします。
またお会いできる機会がありましたら、よろしくお願いいたします。
ほんと、いい会でしたね!
アラン島、ぜひ夏に行って2週間とか過ごしたいものです。「ついでに」キンタイア半島にも足を延ばして、さらにアイラにも……夢だけは広がります~。
とりあえず、ライブではお会いできるな、と期待しています。こちらこそ、どうぞよろしくです:)
ayayaさん、Arranのブロガーイベントに参加されてたんですね~!主催者の写真をみてビックリでしたw
今回、自分の好みに合ったArranが見つかってなによりです♪
私はブログもやっていませんが、Arranについてはバーボンバレルを軸にしたボトリングに魅力を感じているわけでして、フィニッシュものは多くなくてよい印象を抱いています。
15年も経過したということは、フラッグシップのボトルを軸に据えてファンを開拓してくれることを期待しているんですよw
盛人
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