2009年2月21日土曜日

日本酒: 内田教授の百姓持論の会


二升ガールズ集会、今回は日置桜のお酒の酒米を作っていらっしゃる内田さん親子をメインゲストとして開かれました。なにげなく「いつもこうですから」と言って着物でいらしたお父さんの内田敬一郎さん。見習わなくっちゃ~。
内田農園では、肥料を使わないっバイケミ農法を実践しています。有機農法と言ってもいろいろある。何を食べているかわからない家畜の糞を使った有機農法では、ちっとも安全でもエコロジーでもない、というのが内田さんの主張。たしかにその通りです……。


「今日の主役はお米だから」というしーちゃんの宣言通り、最初のお料理はいきなり山田錦のおにぎりでした。一般に酒米というのはおいしくないと言われますが、内田農園の酒米はなぜか最高級コシヒカリよりも食味値が高いのだそうです。うん、普通においしいよ。むしろ、苦手なねっとり感がない分ふだん食べているご飯より私には合ってる感じ。そのあと、焼き物などが出て、メインは内田農園のお米を使った日置桜生もと強力の酒粕を使ったお鍋でした。味噌味にバターも入って、濃厚でおいしい! しかも具がとっても豪華。すばらしかったです。また、クリスマスとかに食べたいです。この後、内田さんの奥さんが漬けられたという、これまた美味な漬け物各種でぴっかぴかのコシヒカリのごはんをおいしくいただきました。うーん、実際にこんなに食べた二升ガールズ集会は初めてかも。


さて、会の間、内田さん親子はそれぞれのテーブルをぐるぐる回っていろいろ話を聞かせてくれました。息子の寿郎さんはまじめでしっかりした感じの方で、すごく勉強されているな、しかもそれを実践に生かしてるんだな、と感心してしまいました。太陰暦に従った農作業の合理性を熱く語ってらしたのが、先日竹原でうかがってきた竹鶴の石川杜氏の江戸時代の酒造りの合理性についての話とあいまって、とっても納得できました。そのあたりの古い知恵もいろいろ気になります。あとで気付いたけれど、趣味はバイクツーリングだそうです、アクティブ。寿郎さん、お酒は弱いときいていたわりに楽しく飲んでましたねえ。
お父さんの内田さんは、若い頃にアメリカに農業実習に行って帰国後も葉タバコをメインに作っていたりと、伝統と進取の姿勢が合わさったような、おもしろい方でした。お酒はかなり好きみたい。内田さんの田んぼではシーズン始めにわらを鋤きこむぐらいしか稲に栄養を与えません。こうして、下に向かって伸びる根よりも横に広がって伸びる根にがんばらせることで、植物自体の成長よりも実に栄養が回るような育て方をすると、背はさほど高くならずに、たっぷりとした穂がつくのだそうです。証拠写真も見せてもらいました。背が低くて穂が長ければ、倒れにくくて収量が増えるから、いいことづくめですね。農薬や化学肥料に依存した農業から脱することが、サステイナブルな未来へのひとつの道になるのかもしれません。
本日の着物は初心に帰ってウールのアンサンブルにアンティークの帯を締めました。内田さんとcafebabeさんと一緒に、ウール三兄弟でパチリ。


もちろん、お米を食べたりお米の話を聞いたりしてただけじゃありませんよー。だって二升ガールズ宴会ですから。今回は、日置桜のうち、内田農園の米を使ったお酒がラインナップされていました。強力とか山田錦とか。なんと、本日は日置桜のダンディ山根社長自らお燗をつけてくれました。私も、とっくりを運ぶのぐらいは手伝いましたよ:P  というより、「次くださーい」って何度も催促に行っていたという。そのうち山根社長特製のアドリブ・ブレンド酒も出てきて、しあわせになりました。たぶん、またうちのテーブルが一番飲んだんだろうなあ。少なくとも、一番たくさん催促には行きました。写真の八割造り山田錦は、夏にいただいたときより熟成した感じで、すごくおいしくなっていました。大人な味。これは、「内田さんのお米なら2割削れば他の米を5割削ったのと同じきれいさになるから」というわけで8割なんだそうです。

今回は、ものすごく盛り上がって、始まったのは普段と同じ6時だったのに、終わったのはなんと11時でした。さすがに二次会に行ったら電車で帰れなくなってしまうので、あわてて失礼した次第です。いやあ、大満足。

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