2008年11月25日火曜日

Portugal7: Portoへ


今朝は早起きしてポートワインで有名な、ポルトガルの商工業の中心地ポルトへ。コインブラ駅から、アヴェイロ乗り換えでのんびり2時間ほどかけて行きました。よいお天気だったんだけど、今日はとっても寒かった! 道中の列車の中でこごえそうになりました。さらに、長距離列車は中心街に直接入らないので、カンパニャン駅で普通列車に乗り換えないといけないのに、列車が遅れたらしくて、普通列車にほんの一瞬の差で乗り遅れてがっくり。
幸先の悪い始まりでしたが、ポルトはきれいでした。ドウロ川に向かって下っていく造りになっている街は世界遺産にも登録されているほどで、趣のある場所でした。しかし、普通に洗濯物とかが干されている世界遺産ってどうなの?って気もしなくはないけど。

川の対岸はヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区で、ポートワインのワイン工場が並んでいます。いい感じに一望できる場所からぐるっと写真をとってみました。

ポルトの中心街は道は広かったけどサイズはコインブラと変わらない感じでした。とりあえずインフォメーションで地図をもらって、みはらしのよさそうなSe(カテドラル)に向かいました。前まで行ったら日本人の団体が見学中でちょっとびっくり。ポルトガルで初めて日本人に遭遇したよ〜。まあ、あちらのがもっとびっくりしたかもしれないけど。急に日本人が一人でぷらっと現れたんだし。建物自体は18世紀バロック様式らしく、そろそろバロックの重派手さに食傷気味の私は外側を眺めただけで十分ということにしました。どうも、ずっと英国の研究中心だったせいか、バロックの建築や彫刻はあまり得意ではないのです。疲れちゃって。
それで、あとはぶらぶらと街の営みを見学しながら川の方に向かって降りていきました。河口が近いせいか、この街にはカモメが多いです。高い建物の修理は見ているだけでどきどき。

コインブラよりは足に優しいとはいえ、やっぱり石畳は厳しいなり。
ほとんど川の近くまで降りて、写真右はボルサ宮という商業組合の建物。私の目的地はその裏手にあるサン・フランシスコ教会でした。撮影禁止だったので写真はありませんが、内部の金泥細工のバロック装飾が見事だというので、一番見たいと思っていたのです。はい、本日の私のバロック受容力はここですべて使い果たされる予定になっていたわけです。それほど大きくない建物でしたが、一歩入ると内部がすべてキンキラキン。もとはゴシック様式だったので、建物自体の威圧感はあまりなく、垂直方向にのびる柱などすべてが彫刻され、金箔で覆われていました。窓が少なくてちょっと薄暗い中で輝く金箔。これは昔の人も信心しちゃうよねー、と納得できる圧倒感でした。
それにしても、どの教会に行っても宗教音楽がほのかに流されているんですよね、ポルトガル。ミサなど、教会で生で演奏される音楽のすばらしさを知っていると、それがかえって興ざめに感じられてしまいます。普段はしーんと静かで、ミサの時だけ荘厳な音楽が流れるって方がよくないですか? 宗教音楽ってBGMとして使うようなものじゃないと思うんだけどな。


見学後、もう昼だったので、川縁のレストラン街に出て、適当な店で食事。左の写真に写っている店のどこかです。ヴィーニョ・ヴェルデをハーフボトルで注文したら、酸味がかなり強くてまあまあレベルでした。若飲みするワインだから、そういうものなのかな? 料理は、アレンテジャーナ風アサリと豚の炒め物です。じゃがいもも入ってます。これが、けっこうおいしいんだけど、ごらんの通りすんごく多くてとても食べきれませんでした。おなかぱんぱんで、カフェだけもらってしめくくり。ここでの食事は20ユーロ近くになりました。この旅行で一番高いランチでした。コインブラのお気に入りレストランO Serenataなら10ユーロで済むのに…観光地価格だ−。

ワイン会社では、それぞれ有料の見学コースを用意していて、「英語のツアーがあるか」と聞くと時間と料金を教えてくれます。ただし、普通のワインもポートも加工は生産地のドウロ川上流でおこなわれているので、ポルトで実物が見れるのは貯蔵庫(の一部)ぐらい。時間があったら、ぜひドウロ川上流まで行ってみたかったな。2日程度のツアーがあったりします。
いくつかの会社を回って問い合わせてみましたが、時間の希望が合わなかったりすでに満員だったりで、なかなか決まりませんでした。結局、わりと大手のCalemで30分後ぐらいのツアーを予約。待ち時間の間にサンデマンの無料展示スペースで往年のポスターなどの展示を眺めていました。なかなかおもしろかったです。昔のポスターって、おしゃれだし、研究対象としても興味深いものです。

Calemのツアー集合時間に行ってみると、カナダ人のカップルとリトアニア人の男性がひとり。みんな20代ぐらいで、私もそれぐらいに見られたみたいで、わきあいあいとガイドさんの後についてコースを回りました。写真パネルを見せながらブドウ栽培や醸造などの加工工程を説明した後、貯蔵庫の方に入って、とんでもなく巨大な樽の間を歩きます。ながーい定規みたいなものは、この樽の中でこのラインまで残っていたら何本瓶詰めできるかを示しているそうです。30分もしないで、ツアー終了。後はホワイトポートと10年物のポートの試飲がありました。有料でその他のお酒も飲めますが、つまみ類はありません。さすがに甘いお酒は飲むのに時間がかかるので、ツアーについている分だけで1時間近くおしゃべりできました。おかげで、リトアニアの冬の天気や酒事情などに詳しくなりましたよ:) そろそろ帰りの列車の時刻が近づいてきたので、まだ飲む気まんまんのツアー仲間を残して私は退散。自分へのおみやげにホワイトポートの小瓶を買いました。さわやかな甘さが、けっこう食前酒としていい感じだったので。

川縁を歩いていたら、カモメがいっぱい。
駅の売店でバカリャウ(干しダラ)料理特集をしている雑誌を見つけて、列車で読みながら帰りました。日本でもなんとかしてそれっぽいもの作れないかなあ…と思って。


さて、コインブラに帰ってみると、なんとびっくり、今日はOpenBSDレセプションディナーの日でした。そんなのあったんですね。とっても高級そうなブラジル料理屋Ze Cariocaで、初めてシュラスコを食べました。ブラジル料理の肉がおいしいのかポルトガルの肉がおいしいのかよくわかりませんが、とってもしっかり味のある肉で、どれもこれもお薦めレベルのおいしさでした。が、昼にがっつり食べていたので、あんまり入りません。…前もって、「今晩は肉」と教えてくれればよかったのに〜。

食事の後、これからhacking roomに戻るぜ、という人やら、ホテルの近くのバー(英国のパブみたいなお店)でビール飲もうぜ、という人(yuoもここ)やらいたのですが、これ以上は水の一滴も入らないほどお腹いっぱいだった私はお先に失礼して寝ました。みんな、よく飲むなあ。


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