2008年11月22日土曜日

Portugal4: じっくりCoimbraその2

今日はCoimbraの歴史に注目した観光にはげむ予定です。
どうせ近くしか行かないので、まずはのんびり朝の支度。昨日買ったパンやりんごを食べました。パンがおいしい。シンプルな塩の入ったパンは何にもつけなくてもそのままかみしめるとじんわりおいしい感じ。フランスとイタリアの間って印象でした。甘いパンはyuoと半分こ。ココナツ味が楽しい。りんごはイギリスでもおなじみの小粒のもので、皮ごと1個かじるとちょうどいい分量なのです。日本でもこのぐらい小さいりんごが普通に売ってるといいのになあ。


11時前にホテルを出て、大学へ。コインブラ大学はもともと中世に設立されたポルトガル最古の大学です。というわけで、古教会・新教会・古大学・新大学とそろっています。そしてどれも現役。観光している横の部屋で授業してたり、お祈りしてたりするのがなんだか楽しいのでした。さて、まずは一番高い所に建っている新教会に向かいました。新と言っても17世紀のもので、堂々としていて立派なものでした。


続いて、大学の中心にあたる古大学へ。ここは門の外側の大学図書館でチケットを買います。たしか6ユーロ。基本は自由観覧で、旧図書館のみ特定の時間に行くように指定されました。この年になって「学生カードある?」と訊かれるとは(笑) 大学内では、現在でも博士論文の口頭試問や授与式などに使われている部屋やうんと昔の歴代学長の肖像画が並ぶ会議室などを見学。とっても華麗な部屋べやでした。あんなところで試験されたらそれだけであがりそう…。
それから旧図書館に行くと鍵がかかっていて、ノックすると入れてもらえました。この時間参観者は私だけらしくて、「じゃあ後は自由に見てね」って。そのいい加減さは明らかにヨーロッパって感じよね。旧大英図書館を小さくしたような、それにさらに中国っぽい漆塗りの装飾をくわえたり金彩をほどこしたりして華麗にした館内に、ふるーい本が並んでいました。いまだに閲覧もできるそうですが、この場では読めず外の図書館で読むそうです。本につく虫対策にこうもりを飼っているそうですが、昼間はみんなどこにいるのかしら? 影も形もありませんでした。そこから礼拝堂に回って、最後に「回廊」と書かれている場所に行くと、学生がいっぱい。普通に学生向けの連絡掲示板が並んでいる場所なのでした。出口に行こうと思って適当に歩いていたら、いつの間に観光客向けではない、明らかに研究室区域に入り込んでしまって困りました。すれ違う学生や先生っぽい人もぜんぜん気にしてないし、冷や汗をかきながらなんとか外に出られてほっとしました。普通に教室になっている部屋とか見られて、今考えればよかったのかも。


そろそろ午後1時ぐらいでしたが、すこし下ったところにある旧教会に行きました。ここは中世の建物なので、茶色くて暗くて比較的小さくて、個人的にはバロックばりばりより好きかな。もと修道院付属だったようで、回廊がついていました。ここだけ別料金(これを支払うと教会全体の案内をもらえます。というか、回廊に行かないともらえないので何がなんだかわからないと言う)。1.5ユーロだから払って見るべきだと思います。回廊自体、ひとつずつ違う柄の装飾かもい(じゃないけど、そういう位置にある)がすてきだし、一部ローマ時代の教会の跡が見られる場所もあって、すごい歴史の深みを感じます。

そのまま下の繁華街まで下って、本屋とCD屋を物色。読めないのでなんともわかりませんが、ファドではないポルトガル民俗音楽っぽいCDを2枚買ってみました。それからランチでも…と思ったら、3時になっていてレストランはだいたいランチタイム終了でした。ちょっと勇気を出してパステラリアという、お菓子の充実したカフェみたいなところに入ってみたのですが、そこではみんなお菓子やパンの並んだカウンターに向かってコーヒーとパンを立ち食いしていました。えーと、人が多すぎてどんなお菓子が並んでるのか見えないんですけど。気に入ったものも、ポルトガル語で指定できないから買えないんですけど。やっとおいしそうなカスタードパイの前に割り込めたけれどすでにその場で食べる元気はなく、指さし注文で持ち帰り用にしてもらいました。うーん、ちょっと人生むずかしい。

そんなこんなで結局、教会の広場のカフェ・サンタクルスでパルマハムとチーズのサンドウィッチにヴィーニョ・ヴェルデ(未熟発酵の微発泡白ワイン)を1杯いただきました。高級そうなカフェでゆったり座れそうだったのです。ヴィーニョ・ヴェルデはすっきりさっぱりで、アルコール度数も低目らしく、するっと飲めました。かなり酸味が強くって、なんというか、けっこうビールがわりな感じ? ワインとしては「すっごくおいしい」という感じではなく、なんというか、ボジョレーヌーボーみたいな気分のお酒でした。サンドウィッチのパルマハムがすっごくおいしかった。最後にカフェ(コーヒー)をいただきました。カフェ(お店)自体もとても古いらしくて、天井が高くてちょっと修道院の食堂みたいな雰囲気がよかったです。英語メニューがあるわりに高くもなかったし。

それから、すぐ隣のサンタ・クルス教会をざっと見学。ここも立派でしたが、やっぱりバロックはどうもあまり好きじゃないなあ、という自分がいるのでした。なんだか立派すぎて主張が強くて疲れちゃうんですよ。だからあんまりじっくり見る気になれないの。同じ立派さでもゴシックの線の細さのがいいかなあ。単に好みの問題ですけどね。音楽はバロック大好きなんですけどね~。帰り道でひなたぼっこする犬発見。

さて、今日もこれだけでくたくたになりまして、やっぱり靴が問題なんだよねーと思いながら靴屋をながめていたら、ついとある靴屋で歩きやすそうでかわいくてしかもゴアテックスのブーツを発見。お値段も100ユーロちょっとだから、革のブーツにしては安い方。つい試着したらますますかわいくて、買ってしまいました。これで幸せになれそう! 
さて、パンでも買って帰ろうかと思ったら、土曜日は食べ物屋さんはたいてい早じまいでもう昨日のパン屋も閉まっていたので、どこかないかな、と教会の裏から市場の方に回ってみました。でも、どこもかしこも早じまい。市場なんてもう掃除中でした。結局何も手に入らず、エレベーターで大学まで上がって歩いて帰りました。このエレベーター、2段階になっていまして、下半分は普通のエレベーター、上半分は山を登るケーブルカーという作りです。で、チケットを売って上昇・下降ボタンを押すだけの操作員のお兄さんがのーんびり仕事してます。客が私だけで、ふたりで乗っていると気まずい。明らかに赤字だよ、今日。

ホテル隣の雑貨屋で「日曜日は空いてる?」と聞いたら、お休みだと言うので、2日分に足りるだけのパンと水と果物とおやつと、それにおいしそうなサラミとびんビールを買い込んで帰りました。で、ちょっと洗濯などして、ナッツをつまみながらビールを飲んで(ああ極楽)また昼寝。

夜、駅の近くのレストランで晩御飯だと聞いて、タクシーで合流しました。最初はバスで行こうと思ったんだけど、本数の少なさに断念。うーん、回数券が使い切れなさそう…。行ったのはポルトガル・イタリア料理の大きな店で、土曜日だからか客も多くパーティーもやっていてにぎやかでした。なぜかみんなで食事のときはいつもアレンテージョの赤ワイン。yuoはたこのトマト煮、私は雄鶏のリゾットでした。今日もまたやたら大量。パスタの人たちの3倍ぐらいあったのでは。体は私のが彼らの半分ぐらいのサイズなのに…。それはともかく、とってもおいしかった。「雄鶏」と明記してあるものを食べたのは初めてだけど、すっごくおいしい鶏肉でした。味付けは赤ワインビネガーをたっぷり使っているようで、酸味があって案外たくさん食べられました。しかし満腹だ。

食後、みんなとは途中で別れて、yuoと一緒にファドを聴きに行きました。A Caperaという、小さな教会を改修したファドハウスです。チャージが10ユーロ。9時の最初のステージに間に合うように行ったら、客が3組でした。ファドと言うと女性が悲しい心情を切々とうたいあげるイメージですが、大学町Coimbraのファドは男声です。やっぱり切々とうたいあげるのはいっしょですが。なかなかきれいなバリトンでした。伴奏はポルトガルギターと普通のギター。ポルトガルギターはマンドラみたいな形で、複弦で、音もチラチラしたマンドリンに近い音がしました。なんとなくリュートみたいな奏法なのかな、と思いました。1ステージが「ギターソロ+歌2曲」2セットで構成されていて、歌もいいのですが、私はポルトガルギターに釘付けでした。超絶技巧で、バロック音楽とフラメンコギターを足して2で割ったような雰囲気の演奏がとても魅力的でした。うん、気に入った。2ステージ目からはいきなり満員になって(やっぱり夜の国だ…)雰囲気も盛り上がったので、結局3ステージすべて聴いて帰りました。歩くのもふたりいればだいぶ楽です。
やっと夜遊びもできたポルトガル4日目でした。おやすみなさい。

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